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オメガ 最後の"ファースト オメガ イン スペース"

今回入荷したのはエスプレッソカラーが人目を惹くスピードマスター。

 

生産終了モデルのRef.31163403002001、オメガ スピードマスター “ファースト オメガ イン スペース”、通称「FOIS」

 

細かい説明は後回しにして、早速この魅力的なタイムピースをご紹介します。

 

 

最後の"ファースト オメガ イン スペース"

スピードマスター「FOIS」。

私が生まれる遥か前の1962年に、宇宙飛行士ウォルター・シラーがマーキュリー計画で身に付けたスピードマスターの2ndモデル ref.CK2998がこの時計のオリジナルです。

 

オメガは彼の偉業を讃え、50年後の2012年に復刻版であるこのスピードマスター「FOIS」を発売しました。

 

私の記憶では2021年に生産が終了していた記憶があるのでこの時期に入荷してくるとは思ってもみなかったのが本音です。

 

まさに”最後”の"ファースト オメガ イン スペース”と言えるでしょう。

 

魅力的な価格

定価は¥1,980,000(税込)。

この定価を聞いてどう思われるかは人それぞれですが、ゴールドケースであること、そしてムーブメントはあの有名な手巻きキャリバー1861を載せてあること。

 

裏蓋の素材はサファイアクリスタルでは無くて18Kセドナゴールドのソリッドバックであること。

 

ステンレスやセラミックを素材にして200万円を超えるモデルが多くある現代では魅力的な価格になっているのではないでしょうか。

 

クラシックなサイズ

気になるケースサイズは40mmを少し切った39.7mm。

スピードマスターは1957年からの1st、1959年からの2nd、1963年からの3rdと全てケースサイズが違います。

 

その中でもCK2998と呼ばれる2ndの製造期間が1959年から1962年までのわずか3年間しかなく、針がアルファ型でリューズガードの無いスッキリしたケースが特徴です。

 

最後に

最後に私が推したいポイントの一つにナンバリングエディションであること

 

これは文末に記載しますが、大切なことは全て書いてしまったので、上記を読んで購入を検討していただけると嬉しいです。

 

さて、ここからは私ミサキの朧げな記憶とつたない商品説明をご紹介いたします。

 

 

宇宙探査の黎明期へのオマージュ

このモデルはユニークな歴史を持っています。

 

NASAの公式時計になった1965年よりも先に宇宙で使用されたスピードマスターの存在をご存知でしょうか。

 

ファースト オメガ イン スペース、通称「FOIS」、という名付けは1962年にマーキュリー・アトラス8号のミッションで宇宙飛行士ウォルター・シラーが着用したことに由来します。

 

非公式ながら宇宙で使用された最初のオメガはこのシラーのスピードマスターでした。

人類の宇宙探査に不可欠なスピードマスターの旅の始まりといえます。

 

ケースサイズの潮流

直径39.7mmのケースは、20世紀半ばのクロノグラフの控えめでクラシックなプロポーションを反映しています。

 

復刻モデルとして誕生した2012年当時は小さいと言われたでしょうが、クラシックなサイズが再興した今日では丁度良いサイズと言われるでしょう。

 

39.7mmというサイズはオリジナルモデルを忠実に再現しているのと同時に、快適な装着感と時代を超越した美しさを提供し、さまざまな手首のサイズやシーンにマッチします。

 

名高いキャリバー1861

ムーブメントはオメガの有名な手巻きクロノグラフ・ムーブメント、キャリバー1861が搭載されています。

 

このムーブメントは伝説的なキャリバー321の直系の子孫であり、その堅牢性、信頼性、そして歴史的意義の高さで知られ、2021年にCal.3861に変更されるまで数十年にわたりスピードマスターを支えてきました。

 

総括

そろそろ総括になってしまいましたが、特筆するところはもっとあります。

それはクラシカルなプロポーションと魅力的なデザインです。

 

アルファ針、ツートンのレイアウト、パルスメーターベゼル、ストレートラグなど、鮮明で視認性に優れたピュアなデザインが特徴です。

 

特にツートン文字盤はゴールドのケースと相まってユニークで格調高い印象を与えます。

 

この時計はスーツやネクタイからカジュアルな服装まで、さまざまなスタイルを引き立て、さまざまなシーンに対応できます。

 

今日、スピードマスター「FOIS」は、オリジナルモデルへのオマージュに成功し、その精神を受け継ぎながら、オリジナルから新たなものを生み出したと評価されてます。

 

発表から時を経て、近年最も魅力的なスピードマスターのひとつと評され、時計愛好家にとって望ましい選択肢となっています。

 

 

ナンバリングエディションであること

最後になりましたが、このスピードマスター「FOIS」はナンバリングエディションです。

 

製造された順にナンバーが刻印されていますが、今回当店に入荷したモデルの番号は200番台、とだけお伝えします。

 

2012年から始まり2021年に生産終了。

この期間に300本にも満たない本数しか製造していないと考えると、数の多い限定モデルよりも希少性を感じます。

 

豊かな歴史を持ちながら、エレガンスと多様性を添えたスピードマスター「FOIS」。

単に「時計を買う」以上の楽しみを与えてくれるタイムピースと言えるでしょう。

この記事の監修者

ミサキ

見た目で選んだり仕上げに感動したり、はたまた予算で決めることもあれば目的で選ぶことも。
わずか50mm四方の中に、技術と意匠と芸術その他諸々が同居する腕時計の魅力。まさに沼。
EYE EYE ISUZU で腕時計の世界が広がります。

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