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最新キングセイコー 王者の名を持つ時計の魅力とは 

記事をご覧の皆様、こんにちは。

アイアイイスズG-Time店の本条でございます。

今回の時計紹介記事はセイコー機械式時計の最高峰キングセイコーの紹介です。

セイコーのラインナップにリバイバルしたキングセイコーが加わったことはまだまだ記憶に新しいです。

少しずつカラーやラインナップを増やしながら着実に浸透していっている新生キングセイコー。

 

よく店頭ではグランドセイコーと何が違うの?との質問をいただきます。

確かに同じ、~セイコー。の名を持つもの同士その疑問よく分かります。

 

まず端的に言うと、グランドセイコーはセイコーから独立したブランドでありキングセイコーはセイコーの最高峰腕時計であるということ。

メーカーさんが仰っていた言葉をそのまま引用しますと、トヨタとレクサスのような関係だと。

 

レクサス = グランドセイコー

トヨタ クラウン = キングセイコー

 

と聞けばなるほど、言った感じ。

 

しかしながらグランドセイコーとキングセイコーは生まれも育ちも全く異なります。

 

元々東京の亀戸に工場を持っていたセイコーは(第二精工舎、後のセイコーインスツル)第二次世界大戦末期、東京工場が空襲により時計製造の中断を余儀なくされます。


第二精工舎

引用元:セイコーグループhttps://www.seiko.co.jp/group/history/


結果として1945年の終戦以降5年間東京工場での腕時計製造はストップします。

製造の中断を受けてセイコーは工場機能を長野県の諏訪に移行。

戦後も諏訪では時計製造を継続し、1959年に諏訪精工舎(後のセイコーエンプソン)として独立します。

1960年、諏訪精工舎において「初代グランドセイコー」が誕生します。

当時の技術の最高峰を集約して誕生したグランドセイコーはスイスの機械式時計に追いつけ追い越せと腕時計の高みを目指しました。

最高の腕時計とあって価格も中々のもの。

当時3種の神器と歌われた洗濯機と同価格帯だった。と聞くと少しピンとくるものがあります。


昔の洗濯機の写真

当時のサラリーマンの月収の数ヶ月分くらいでしょうか。

 

そして過ぎること1年後の1961年東京亀戸にて「初代キングセイコー」が誕生します。

2023年には誕生の地、亀戸をモチーフにした限定が出ていたことも記憶に新しいですね。

初代キングセイコーはグランドセイコーの華々しさと比べて「質実剛健な庶民の味方」といった印象が強いです。

デザインは東京生まれを感じさせる直線基調のモダンなシルエットが特徴的。

キングセイコーの価格帯は当時のサラリーマンの月給分くらいの価格だったそうで、戦後の高度経済成長期に向かっていく日本の庶民の味方だった。

ということが言えそうです。

 

 

長くなりましたが、まずはここが大きなグランドセイコーとキングセイコーの違いです。

そしてクォーツショックの波もありキングセイコーは惜しまれながらも1970年代にセイコーのラインナップから姿を消すことになります。

 

私自身は当時のキングセイコーというものを知らないのですが、お店でお客様からその名を耳にすることはよくありました。

キングセイコーは時計としての作りの良さは勿論、ヒストリー的な部分でもファンの方は多くアンティーク市場で長く愛されてきたようです。

 

そして50年以上の月日を経てキングセイコーがセイコーのラインナップに復活。

現在のキングセイコーは大きく3つのカテゴリーに分けることが出来ます。


最新モデル

6Lキャリバー搭載のエレガントライン



モダンでカラーバリエーションが豊富な6R55モデル



小ぶりなデザインが往年の魅力を醸し出す6R31キャリバーモデル

 

 

3つのカテゴリーで共通することはベースデザインは1965年の春頃に登場した2代目キングセイコー、通称KSKデザインを踏襲していること。

歴代キングセイコーで最も人気の高いデザインであり、直線基調の最もキングセイコーらしいデザイン。と言われています。

 

大胆に斜めにカッティングが入ったラグ、そして12時位置のライターカットはKSKならでは。

ライターカットの凹凸はプレスではなく一つ一つ丁寧に刻まれています。

 

復活したキングセイコーの位置づけは冒頭でも紹介しましたが、セイコーメカニカルのハイエンドライン。

独立し独自のラグジュアリー路線を歩むグランドセイコー。メカニカル、スプリングドライブ等価格帯は基本的には50万円オーバー。

セイコーには元々、プロスペックスやプレサージュ等既存のメカニカルラインナップも存在しますがこちらは5万円~20万円代の価格帯のものが主流。

丁度抜けていた20万円~40万円のラインにキングセイコーが位置することになります。

  メカニカル価格比較

 

では最新のKSK6Lモデルの特徴について触れていきます。

既存モデルが20万円前後ですが、KSK6Lモデルに関しては40万円と一気に価格帯が上がりました。

一体どこが変わったのか一つずつ解説していきます。

 

 

 

 

 

①最新の6L35キャリバーを搭載

 

写真:SDKA009 セイコーウオッチサロン専用 KSK キャリバー6L35限定モデル

 

まずはキャリバーが最新の6L35キャリバーを搭載していることが挙げられます。

特徴は下記の通り。

 

 

・薄型化と耐久性を両立

 

ケース横からの写真

 

ムーブメントを構成する各部品ごとに薄さを追求。

強度や剛性を確保するために部品ごとに試行錯誤を繰り返したとのこと。

そこにはグランドセイコーで培った技術がしっかりと活かされています。

1/1000mm単位の精度で部品を作ることができる3Dプリンター、MEMSを用いてがんぎ車、アンクルを製造。

部品形状のばらつきを抑え、耐久性の向上を実現しました。

また、機械式時計は気温や湿度、温度変化によっても精度は変わってきますが6L35は熱膨張に強い素材を採用することで精度への影響を最小限化しています。

機能 カレンダー付中3針(セミ瞬間日送り機構)
秒針規制装置付き
厚み 3.69mm(6R55とくらべて1.33mm薄い)
携帯精度 -10秒~+15秒/日
持続時間 約45時間(最大巻き上げ時)
振動数 8振動/秒(28,800振動/秒)
耐磁性能 JIS1種対応(直流:4,800A/m以上)

 

 

 

 

 

②スッキリとしたケースデザイン

 

ムーブメントが薄型になったことで時計ケースの厚みもしっかり薄型化されています。

 

縦45.8mm

経38.6mm

厚さ10.7mm

のスペック。

 

既存の6Rモデルの12.1mmに対して-1.4mm。

2021年に復刻限定として登場したSDKA001と比較しても-0.8mmの薄型化を実現しています。

自動巻きの機械式時計で厚みや腕に乗せたときの感覚を気にされる方も多いと思いますが、こちらのモデルに関しては細身の方でもつけやすく取り回しの良さも魅力の一つです。

  着画  

腕時計のサイズ感のトレンドとしては40mmアンダーのサイズ感の物が増えてきました。

新しいキングセイコーのサイズ感は正しく現代のトレンドとマッチしていると言えそうです。

 

 

 

 

 

③細部までこだわりぬいた美しい造形

 

高級感があり、所有欲をもたらすためにデザインにおいても細部までキッチリとこだわっています。

KSKデザインの特徴でもあるエッジが効いたラグは直線的かつフラットな面でキラリと美しく光を反射。

  時計正面画像  

多面的に光を反射することで高級感のある輝きを放ちます。

モダンクラシックなデザインのメタルブレスレットはクラシカルさもありながらも新鮮さすらあります。

ケースデザインともベストマッチですし、目が細かいバンドは腕当たりもよく気持ちよくフィットしてくれます。

 

特に細かい部分は3面カットの針ですね。

通常モデルの2面カット針と比べると、サイドにワンカットずつ、中央にワンカットが入っています。

針のUP

 

製造の難しさは勿論ですが、夕暮れ時や早朝などの薄暗いときにその視認性の良さを発揮します。

そこまで拘るか..という部分に国産時計のプライドを感じさせます。

そして裏蓋のキングセイコーエンブレムにご注目。

ねじ込み式の裏蓋では刻印したエンブレムの角度が色々な方向になってしまうのはよくある話。

しかし、KSK6Lモデルは盾マークがひっくり返らないように配慮がされています。

正面から歴史深いクレストマークを楽しむことができるのもファンには嬉しいポイント。

 

裏蓋画像

 

 

 

 

 

④コンプリートサービスの実施


キングセイコーは全ラインナップでオーバーホールとライトポリッシュが行えるコンプリートサービスを用意しています。



小キズなどを磨いて長く美しい状態を楽しんで頂けるようにとの意図から。

因みに、その他のセイコーラインナップにはダイヤシールドという傷をつきにくくする加工がありますがキングセイコーには施されていません。

それはライトポリッシュが可能なようにあえての配慮。

長くステンレススチール本来の美しさを表現するためなのです。

そしてKSK6Lモデルでは分解が可能になるように細かなケース構造を見直し。

より細部までの磨きが可能となりました。

 

 

如何でしょうか。

新キングセイコーの魅力少しでも伝わっていれば幸いです。

新6LKSKモデルは下記のラインナップがございます。

モデル

SDKA009

SDKA005

SDKA007

ラインナップ 日本伝統の菊の花の模様を文字盤に採用した限定モデル 繊細な放射目が美しく、オリジナルモデルの味わいを再現したシルバーモデル 新色の黒色を新たに開発し採用、時計と調和する奥行きが魅力のブラックモデル
商品番号 SDKA009 SDKA005 SDKA007
価格 ¥440,000 (税込) ¥418,000 (税込) ¥418,000 (税込)
素材 ケース:ステンレス
ガラス材質:ボックス型サファイア
ガラスコーティング:内面無反射コーティング
中留:ワンプッシュ両開き方式
防水性 日常生活用強化防水(5気圧)
重量 130.0g

※表示価格は2024年2月時点のもの

 

 

 

今回は最新の6Lモデルを中心に紹介しましたが、その他の既存モデルに関しても魅力的なモデルが多くございます。

 

小ぶりなデザインが往年の魅力を醸し出す6R31キャリバーモデル

いずれも価格は ¥220,000(税込) ※2024年2月時点

SDKS009

SDKS003

SDKS005

 

 

モダンでカラーバリエーションが豊富な6R55モデル

いずれも価格は ¥253,000(税込) ※2024年2月時点

SDKS025

SDKS023

SDKS021

※表示価格は2024年2月時点のもの

 

 

是非ご自分にあったキングセイコーを見つけてみてください。

どのモデルに対しても言えることは一切の妥協をしていないということ。

ここにはセイコーのプラダクトの最高峰を担う、まさしくキングとしての意地があると思います。

ラインナップに復活して約2年、モノやオシャレに拘りをもつ皆様に是非試してもらいたい時計です。

 

歴史を越えて愛されるキングセイコー。

実は、グランドセイコーとキングセイコーは名付け親が同じということはご存知でしょうか?Grand(偉大)とking(王者)。

歴史は違えどどちらも国産腕時計の進歩、歴史を牽引してきた重要なタイムピースです。

私共も自身を持ってオススメいたします。

是非、何か気になる点がございましたらご遠慮なくご質問ください。

 

キングセイコーはセイコーウオッチサロンという限られたショップでのみの展開となります。

 

 

 

 

セイコーウオッチサロン アイアイイスズG-Time店とは





 

わたしたちアイアイイスズは、国内最大級の品揃えを誇る四国高松の老舗時計店です。
CASIO(casio)、SEIKO(セイコー)、GARMIN(ガーミン)など、幅広いブランドを国内正規代理店としてお取り扱いしております。
実店舗では専門の知識をもったスタッフが常駐しておりますので安心してご来店ください。ECでの対応も、もちろん各ブランドごとに専門スタッフが対応させていただきます。

2021年11月20日セイコーウオッチサロンとしてリニューアル。従来取り扱っていた『SEIKO』の時計売り場が大幅に拡大し、これまで取り扱いのなかった商品やサロン限定モデルなど、様々なデザインの腕時計がフルラインナップと、プロスペックスコーナーは西日本最大級です!

セイコーウオッチサロンでご購入いただくと、メーカー保証期限が プラス1年 延長されます。
また、人気商品・売れ筋の商品を中心としたラインナップを数多く揃えており、限定モデルや入手困難なモデルも入荷しています。さらに、実店舗では「サロン限定」の特別なモデルも販売しておりますので、お近くにお住まいの方はぜひご来店いただき、お選びいただけると大変うれしく思います。

フェアやキャンペーンも随時開催しており、フェア期間中にはアイアイイスズ限定のノベルティもご用意しております。商品のご質問は勿論、修理など気になることがございましたら、遠慮無くお問い合わせ・お申し付けくださいませ。


G-Time店

 

アイアイイスズ G-Time

〒760-0029 高松市丸亀町7番地16丸亀町グリーン西館2F
TEL:087-873-2335
11:00~20:00
定休日:年中無休 / 1月1日を除く

KING SEIKO / キングセイコー

時代を超えて評価される2代目“KSK”からインスパイアされ、現代のデザインに落とし込んだキングセイコー。 国産高級腕時計としての新たな在り方を示し、時代をリードしたレガシーを持つキングセイコーは、実用性と美しいデザインの両立を実現しました。 シャープで堂々としたたたずまいが魅力です。

この記事の監修者

本条 弘匡 (ホンジョウ ヒロマサ) 資格: CWCウォッチコーディネーター 資格認定者

G-Time店で販売スタッフをしております。即レスがモットーでお問い合わせにもなるべく早く返答することを心がけています。何か気になる点がございましたら是非仰ってください。
G-Time店ではアウトドアに活躍する時計も豊富に取り揃えています。ご気軽にお越しくださいませ。

担当ブランド:GARMIN(ガーミン) SEIKO(セイコー) CITIZEN(シチズン) EDOX(エドックス)

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